森のシンガーソングライター証(あかし)


いまどんな活動をされているのですか?
一年中、キャンピングカー生活をしながら、日本全国の森を旅しています。 日本各地の様々な森林、里山、緑地、公園などで、地域に住む皆さんと、寝転びながら森を学ぶ「ごろんコンサート」を開催し、地域の人が森に足を運ぶように、その地域の森のことを学べる場を作っています。 何より、歌によって楽しく感性を刺激しながら、森と生きる為のレクチャーの場を創出しています。 定住しない生き方の実践と共に、野草などを生活に取り入れる生活スタイルを発信しながら歌を作り、この日本の自然と人間がどんな風に生きて行くのかをアーティスト目線から模索しています。
「ごろんコンサートとは?」
従来の立ったまま聴く、椅子に座って聴くなどのコンサートではなく 参加者が森に「寝転んで」聴くコンサートです。 背中を付けてみるだけで、まるで自分が自然の一部になったように感じることがあります。 フカフカの落ち葉に寝転んで、ただ森を眺める。 時折、鳥が飛び交い、裸の枝が揺れる。 だんだん自分が空に昇っているような感覚になる。 寝転ぶだけで、いろんなことが観察できる。 木は、どんな風に枝が伸びているのか。 どんな風に葉が空を覆い、風がどこから吹いているのか。 太陽がどこを照らしているのか。 普段は気付けないたくさんの森の魅力に気付くきっかけとなります。 音楽は耳だけで聴くものではありません。 どんな景色を眺めながら聴いているのか、どんな道を辿ってそこに来たのか。 音楽の素晴らしさは、聞き手側のシチュエーションに左右されていると言っても 過言ではありません。 自然の感じ方を音楽が手助けをし、新しい音楽の聴き方を体験するコンサートです。
それは何故しているのですか?
1.人が自然とどう暮らしていけば良いのかを模索する場を作る(生活への具体的な取り入れ方の実践)。
2.身近な自然の魅力やメッセージに普段から気付ける為のレクチャーする(感性の幅を広げる)。
3.上記を達成する為の歌や音楽の新しい活用方法を実践する。
4.アーティストが自分の表現の活用の場を広げ、アーティストとして十分な経済活動が行えるモデルケースを構築する。
僕は森林問題を解決する為のアーティストとして、活動を始めました。 多くの音楽アーティストは、どんなに素晴らしい歌を作っていても「ただ聴いてもらう」「自分の音楽を売りたい」と言った単純な動機と活動のみしか行っていません。 本来、音楽や芸術の影響はもっと深く、多くの人の助けとなるのに、上記の活動ばかりしている内に、メディアに取り上げられる曲を作り、ただ観客動員数の増加を目指すだけのジャンルとなってしまった結果、日本における音楽の価値はどんどん下がり、音楽アーティストはメジャーで売れなければ食べていけないというおかしな業界になっているのではないかと思います。 今一度、音楽の役割を再確認し、有効に人々の生活に落とし込めたら、音楽は文化に昇華し、本当に世の役に立つものとなれば「アーティストが食べていけない」などという幻想はなくなるのではないでしょうか。
音楽は音楽のみであるものではなく、何かと組み合わせて使うものと思います。 そして、自然体験と音楽の相性は抜群に良いのです。 それに、音楽は何かを話し合う為の場を作ることや、感性を開く、意識を高める為に使うのが本来ではないしょうか。 僕は、自然の中だからこそ楽しめる、自然の課題や魅力をみんなで話し合える為に機能するコンサートを模索しています。 そして、アーティストの表現活動が、ただ作るだけではなく、何に使う為に作るのか、アーティスト自身が考えて活動を広げていけるような、今までの既成概念に囚われない新しい音楽業界を作りたいと考えております。
コミットするSDGsとその理由を教えてください。
上記にすでに書いているように、僕は音楽活動を、自然の課題、魅力、その暮らし方などの話し合う場とする為に機能させています。
このような音楽活動を行った結果、人々の海や陸、そして地球全てへの意識が変わり、明確な結果が出せるような話し合いができる場づくりに昇華して行きたいと思います。