生活のSDGs

【生活のSDGs】0.「サステイナブル」について思うこと

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最近は発酵にハマっていて、今回は「目標12:つくる責任つかう責任」とからめて発酵の話をしようかと考えていたのだけれど、会う人会う人に「発酵は面白いぞ」という話をしているうちに、まだ発酵を使ってモノを語るには、ぼくのなかで発酵にまつわる知識が「発酵」しきっていないことに気が付いた。
自分で思っているより、面白味が伝わるような話し方がまだできないのだ。

僕は発酵を通じて量子力学や禅、個体や社会の生命を生命たらしめる動的平衡なんかについて語りたいのだけど、他分野にアクセスする道具として発酵を扱うには、まだ僕の中で発酵への知識も考えも血肉化しきっていない。
もっと勉強を進めて、実際にいろんなものを発酵させてみたり、できあがった発酵食品を食べてみたりして、自分のこれまで得てきた知識なんかと関連付けながら、自分なりに発酵を編集していく必要がありそうなのだ。

だから、このテーマで書くのはもうすこし待ってみることにした。

そうすると困ったことに今月書くネタがない。
今これを書いているのは8月31日の会社のお昼休憩で、だから記事の公開は9月になってしまうかもしれないのだけど、それでも「月に一本は書く」と宣言した手前、とにかく今日中になにかしら書かなくてはしょうがないのだ。

そう思って  「毎月書く」という宣言した記事を読み返してみたら、昔の僕は「持続可能な執筆目標」として「1.毎月15日までに必ずひとつのテーマについて書く。」と書いていた。
そもそも月末だったらセーフと思っていたこと自体アウトやんけ。

こんなにゆるい連載ですら、あっという間に頓挫しそうになるほどに飽き性でいい加減な僕が、「サステイナブル」なんてことを語っていいのだろうか。

ここは恥を忍んで言い切るが「全然いい」。

これはどんな時代のどんな美しい流行についても言えることなのだけれども、その流行を単なる流行で終わらせてしまういちばん大きな原因は、その流行にかかわる人たちの「ストイックさ」にあると思う。

「ていねいな生活」を終わらせるのは、カップ麺ばかりが続く食生活や、四角いところを丸く掃くことや、二週間同じパジャマで寝ることを、自分に許せないストイックさだ。
忙しいときや面倒くさいときは、思い切りカップ麺で時間を節約するのもいいじゃん。ちゃちゃっとでも掃除したほうが偉いじゃん。別に臭くなければ何着て寝ても一緒じゃん。そういうゆるさを自らに許せたら、誰も「ていねいな生活」という標語や松浦弥太郎に対して、変な後ろめたさやアレルギーを持たなくたって済むのだ。

「”好き”を仕事にする」ことができなくたって、ほかに好きなことがあれば十分なのだ。
なんなら好きなことなんか何もなくたって別に構いやしないのだ。
一番じゃなくてもいいし、一番にこだわってもいいのだ。
とにかく過度にストイックであることは、ひとつの価値観に固執することは、あんまり楽しいことじゃない。楽しくないということは、自然じゃないということで、自然じゃないことというのは、生き物であるわれわれ人間にとって生きにくいということだ。

そう、人間というのはべつに自然と対立するものではないというようなことも、SDGs14やSDGs15にからめてまた書きたいと考えている。これはまた別の話。

ともかく、サステイナブルを語るのなら自分の「サステイナブルでなさ」もちゃんと認めてあげるべきなんだ。

月に一度書くという宣言も守れず、そもそも「15日まで」というルールに至ってはすっかり忘れている自分の持続不可能性。そんな些細な持続不可能性は、あと100年もすれば死んじゃうことに比べたらもうないにひとしい。七世代後の子供たちを軸にものを考えるイロコイ族は〆切なんか気にするだろうか。

 

自らの持続不可能性を受け入れることが、世界の持続可能性を語るための第一歩である!

 

 

 

 

 

 

来月はちゃんとします。

町でいちばんの素人

町でいちばんの素人

投稿者の記事一覧

柿内 正午
91年生まれ。26歳になり物心がついた2017年ごろからものを書き始める。
言葉を売買する会社・もっとmots( @motomots )契約社員/零貨店アカミミCEO(開店準備中)/町でいちばんの素人/都市型密猟者

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