コラム

SDGsの追い風はフェスにある。前編

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ある学者はSDGsを「人類最初の大きな物語」と表現しました。

これまでのように先進国が後進国を助けるだけの話ではなく、全地球人類に変革が求められています。2030年までのこのムーブメントに、26歳の自分ができる最大限のインパクトを考えた結果表題のような結論に至ったので、その経緯や理由や展望といった個人の小さな物語を、大きな物語の一助となることを願いつつここに残したいと思います。

もくじ
・SDGsとは何か
・現状の日本の取り組みと課題
・ミレニアル世代に変革を求めるアイディア
-前編ここまで-
・ソーシャルフェスという提案
・そもそもフェスティバルとは
・ソーシャルフェスの事例紹介
・Ozoneについて
・ソーシャルフェスがもたらすインパクト
・おわりに

 

SDGsとは何か

Sustainable Development Goals(持続可能な開発のための目標)の略で通称SDGs(エスディージーズ)。2015年に国連本部で日本を含む193の国連加盟国の合意のもと決議された、2030年までに世界を変革するための17の目標です。

17の目標それぞれには更に具体的な169のターゲットが包括されており、2030年までに目指すべき世界の姿を明確に定義している1つの指標になります。

上記の動画のように「誰も置き去りにしない世界」を謳い、2000年~2015年までに実行された歴史上最も成功したといわれる貧困撲滅運動MDGs(ミレニアム開発目標)の成果を引き継ぎ、極度の貧困、不平等、不正義の撲滅を宣言した完全な変革のための物語です。

・現状の日本の取り組みと課題

SDGsは毎年ベルテルスマン財団により国ごとの進捗状況が発表され、数値化しランキング化もされています。2017年の最新データによると日本の順位は11位。ちなみに1位はスウェーデン、アメリカは42位、中国は71位です。

(上図:2017 SDG Index & Dashboards – Country Profiles http://sdgindex.org/

上記の図において日本に改善が求められるのは下記のゴールです。

《その中でも特に改善が求められること》

☑︎女性が国会議席に占める割合の改善

☑︎賃金格差の是正

《その中でも特に改善が求められること》

☑︎電気廃棄物の発生数の削減

☑︎反応性窒素の正味輸入排出量の削減(輸入しすぎで他国の窒素排出を助長)

《その中でも特に改善が求められること》

☑︎一人当たりのエネルギー関連のCO2排出量の削減

☑︎道路以外で使われるバイオマス以外のco2排出量の削減

《その中でも特に改善が求められること》

☑︎絶滅の恐れのある野生生物のリストにおける生存率の増加

☑︎輸入された生物による生物多様性の悪影響の是正

《その中でも特に改善が求められること》

☑︎公的開発援助を含む国際譲許公的資金への国民総所得の割合の是正

☑︎財政秘密スコア(租税回避地率の低下)

 

その他にも多くの課題がありますが行政、企業、市民それぞれに変化が求められている現状です。行政としては全国務大臣を構成員とする持続可能な開発目標(SDGs)推進本部が設けられ、毎年のアクションプランが公開されています。

企業としても「ESG投資」という環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を投資の意思決定において考慮する投資が世界的に拡大していて、CSRとしてだけでなくSDGsをビジネスチャンスとして捉え、多くの企業がSDGsへのコミットを表明しています。

民間においても少しずつ認知は広まり、最近でいうと「ピコ太郎」さんのPRムービーが話題になりました。

自分がSDGsを初めて見て思ったのは「デザインがすごくいいな」ということと「みんなで同じゴールを目指そう、みたいなノリがなんか嫌」ということでした。

これまで「世界平和」いうとぼんやりしたビジョンを掲げていたものが「SDGsの達成」というかなり具体的なビジョンに置き換えられ、ぱっと見でわかりやすく、概ねだれも否定できない17の項目を記したゴールマップを軸にして広め、更に知っていくと169のゴールがあり評価方法があり、更に因数分解してい自分のやることが明確になっていくという仕掛けは良いデザインだなぁと思いました。一方で「これが理想の世界です」みたいにゴールを示されみんなで取り組んでいくのに訝しむこともありました。

SDGsを達成すれば少なくとも世界の貧困、不平等、不正義の数は減りより過ごしやすく生きやすく、人々の悲しみが減り幸福の最大数が増える世の中になるでしょう。とはいえ課題とは相対的なもので、すべての課題が解決した状態などなく全体最適としての幸福論に取り残される人はどうしても現れますし、一度達成したと評価された課題も解決方法が持続可能なものでなければ変革にはなりません。

SDGsに価値をみることはふつう難しくないと思いますが、アナーキーな自分がSDGsにコミットをしていくうえでは、もう少しメタな視点が必要でした。

それが「そうぞう機会の最大化による変化率の向上」というSDGsの捉え方。SDGsのほとんどは世界や未来について、また国内でも見て見ぬふりをされるものに対して課題化されています。

今ここの自分以外の幸福に対して視野を広げ、想像力を拡大し共感し、課題を意識し活動及び生活するまでのプロセスは「想像力」という人類が持続していくために重要なスペックの強化に繋がります。

SDGsのプロモーションは想像機会の最大化に繋がり、新たな変化の種を次々に生み、その変化から生まれる多様性のなかで人類は存続可能性を高めていきます。

そして課題が解決された余白で人類の感性は更なる次元に行くかもしれないという、ヒューマンスケールとしてSDGsを腹に落とし、そのうえで自分がこの大きな物語に対してできることを考えると、同世代、ミレニアル世代に向けて発信していくことでした。

ミレニアル世代に変革を求めるアイディア

2000年代に成人あるいは社会人になる80年代半ば~2003年くらいまでに生まれた世代のことをミレニアル世代と呼びます。日本では「ゆとり世代」「さとり世代」なんて言われることも多々あります。

特徴としては人類史上初の「デジタルネイティブ」世代であり、物心ついた時から世界中とネットで繋がれる生活をしてきたため働き方や消費傾向がこれまでと大きく異なる世代と評論されることが多いです。

日本のミレニアル世代はバブルが弾けた勢いで生まれ、多感な時期にテロや震災を経験し、不景気以外の経済状況は知りません、2017年の調査によると日本の大学生の約70%が「日本の将来や夢に希望を持てない」と回答しています。

SDGsのリミット2030年までのあと12年、社会的な力も身につけ中核を担っていく重要な役割を果たす世代です。

これまでの社会活動は主に「課題の啓蒙」を通して周知及び行動を促進してきました。ただ、例えばSDGsの17ゴールにあるような課題なら、この世代はだいたいネットで見て知っています。

そしてその壁の高さも知り、自分の力がいかに無力かも知っています。緊急で重要なことは知っているけど、一歩がでないのです。(そしてその余裕もないのです)

上図のように「課題の啓蒙」より「希望の体験」でエンパワーメントされると感じています。他人から示された答えより、自分で考えた答えのほうが重要で、そのためには魅力的な問い(となる体験)が内的な動機付けを生み出します。「壁登りを指示される」よりも「壁の向こうの楽園に行きたいから壁を登る」ほうが持続可能かつ強靭なモチベーションなのは言うまでもありません。

課題はそのための手段として認知されればよく、知ってもらうための入り口はまず「楽しそう」や「面白そう」といった普遍的でポジティブかつ敷居の低いものであるべき、というのが自分の考え方です。そのうえで1人1人の考えや行動、自由を保障する環境をデザインし「自分の心で感じ、選ぶ」といったプロセスを見守れることが大事です。端的にいえば「ゆるさ」が必要です。

では具体的にどうしていけばいいか、と考えたなかでツールとして最適だったのが「音楽フェスティバル」でした。後編ではフェスに至るまでの経緯、そして”SDGsが終わったあとの世界をフェスにする”ソーシャルフェス®の概要や事例を紹介して、自分が考える「やさしいかくめい」のプランをお話します。

 

あめみー

あめみー

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92年生まれの水瓶座。Ozone合同会社代表/Oxygen編集長/DJ。
ソーシャルフェス®といってSDGsが終わったあとの世界をフェスにする活動してます。無音のフェス「サイレントフェス™」や量子力学的フェス「Quantum」などなど全国各地でプロデュース。猫背。歯医者が怖い。

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