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サイレントサマーフェスに出演いただいたご縁からNamyさんにお話をお伺いする機会をいただき
アーティストNamyが生まれるまで、そしてこれからの物語をお話いただきました。
クラブカルチャー・ローカル・グローバル、様々な領域を横断的に動きながら混ぜて具現化していく背中に痺れます・・!
また楽曲もめちゃくちゃかっこいいので、ぜひ聴きながら読んでみてください◎
ぼくは国境や世代を超えて、点と点で人と人をつなげること、
そんな繋がりの潤滑油となっている役割が好きなんだと思います。
今後はローカルからグローバルへ物々交換のようなカルチャーを。
そして海外で人と繋がって味わった体験を地元に還元していきたいです。
NAMY
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Profile
全米ビルボードダンスチャートTOP9という実績のある、日本を代表する選音家・MUSIC PRODUCER。
ソウルフルなダンスミュージックを軸にFunk,Latin,Jazzの要素を織り交ぜながら、ジャンルレスなプレイスタイルで国内外の幅広いオーディエンスから支持を受けている。世界規模で活動している数少ない日本人アーティストであり、自然と食をこよなく愛する自由人である。
Namyさんのこれまでと、これからのことを教えてください。
生まれは新潟県の田舎でした。
大学から東京に出てきて、リクルートって会社で営業の仕事をしながら、夜はクラブに行ってました。
お客さんとしてクラブを回るときは世界を旅するような感じでしたね。
当時はシャザム(音楽認識アプリ)とかないので、知らない音楽はDJに聴いてレコード買ってました。
クラブでの人との繋がり方、名前も仕事も知らないのに「乾杯」で始まる関係性も心地よかったんです。
そこからクラブカルチャーの縁の部分と、ライブハウスに出演するアーティストの情熱とを組み合わせた、人と人が繋がるようなイベントをつくるようになりました。
また、ミュージシャンたちとの縁もできてきて、彼らの音楽活動が経済的にもちゃんと続けられるようにシーンを盛り上げようと思い、リクルート時代にやってきた人材マッチングと音楽イベントを合わせたり、Namyという名義でCDをつくって会場限定で販売しては協力してくれたアーティストに還元していけるような活動をしていました。
更に地域のクラブシーンで活躍するオーガナイザーに思いを伝え、福岡、岡山でもイベントをするようになりました。
ただ田舎でDJというとどうしても狭いし、イメージが悪いんです。
親にも「どうしてDJなんか」って言われるほどでしたが、そうじゃない、音楽の持つ子供心のような純粋な楽しさを誤解しないで欲しかった。
地方のゲストハウスで会ったりする方達は熱量を持ってものづくりをしている人たちが多く、枠を作らずに関わりあう交流が生まれていて、そこにいるものづくりをしている人たちと、音楽シーンをリンクできないか考えました。
当時は個人事業だったのですが、もっと仕組み化していきたいと思い、いま会社の共同代表をしているパートナーと一緒に旅をして可能性を体験してもらって、PLAY TODAYというクリエイティブエージェンシーを設立することになりました。
(PLAY TODAY inc. についてのインタビュー記事はこちらから
http://www.qetic.jp/interview/playtoday-pickup/170560/ )
設立してからは恵比寿のリキッドルームで全国各地のアーティストを集めて物産と音楽を繋ぐようなイベントを開催したり、最近では新潟のお寺で物産と音楽のフェス「PLAY MARCHE じょうえつ」を開催し、世代を超えた500名ほどご来場いただきました。
上:「PLAY MARCHEじょうえつ」会場の浄興寺
来年以降は地元新潟で農業をやりながら、メディアだったりフェスだったり本質的にいいものをストレートに伝えていくようなこともしつつ、選音家として海外ツアーも組んでいこうと思っています。
年間を通して農業をすることでつくりたい世界観がより見えてくるだろうし、もしかしたら畑に作ったフロアに「高波くんがするイベントなら行ってみようかな」っておじいちゃんおばあちゃんが来てくれるかもしれない。
農作物も音楽も、顔の見える消費を通していいものをセレクトしていけるようになれば、ある程度人生の楽しみ方が揃って来ると思います。
PLAY TODAYでは音楽を通して物々交換のようなカルチャーを、地元に根付いた小さなコミュニティからグローバルに広げていきたいです。
これまで面白いと思った人にはとにかく会うようにしていて、東京にいてその感覚も研ぎ澄まされてきました。騙されたこともあったけど、人の縁を信じてやってきた結果が今にあります。
海外に行くと英語が喋れなくても一緒に音楽を奏でた後「お前は大丈夫だ、目を見ればわかる」って言ってくれるんですよ。
ワクワクしている子供のような目をしているかどうかが大事なんだってって言ってくれます。
そんなつながり方が日本にもっと入って来ればクラブカルチャーはもっと楽しくなる。
ハウスミュージックは家、ファミリー。
そんな繋がりを地元でもつくっていきたいです。
――畑がフロアになるっていいですね!ぼくも世代を超えて音楽がもっと生活に紐付いていけばいいなぁと思います。
音楽体験がもたらすセレンディピティ(偶然の幸福)体験も共感です。ありがとうございました!
ライブやフェス、音楽体験の社会的価値ってなんでしょう?
やっぱり日常で笑顔になれる回数が増えると思います。
目に見えない感覚的なものなので、これが具体的に社会にどう落としこまれるかはわからないですけど、あらゆる生活や仕事に活きて繋がってくるんだと思います。
僕はそこで出会った縁のおかげでビジネスも回っています。
――Namyさんが感覚的って仰っていたところって、実はゴールなんじゃないかって思います。
ある人類学者が言っていたんですけど、人間には3大欲求の他にもう1つの欲求「エンターテイメント欲」があって、生きる上で熱狂する時間は本能的に求めているという説です。
ははは(笑)面白い、ぼくそれかも。
可視化できない価値をもっと伝えていけたらいいなぁと思います。
ライブやフェスが社会的にどういった価値があるのかっていうのは常に実験中です!
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コミットしたいSDGsを教えてください!
逆にご相談したいんですけど、どれがいいですかね?
――お話を伺っていて、17の「パートナーシップで目標を達成しよう」だと感じました。
世代や国境などを超えて、点と点の多様なセクターを結ぼうとしているNamyさんの感覚は、SDGs17のもつ、国家や業界を超えた不可分な課題に取り組んでいく姿勢とマッチすると思います。
ローカルな土地に根付いて、世代を超えて共感できるものを広げていくということは、実はグローバルパートナーシップの本質的なヒントにもなるんじゃないでしょうか。
なるほど。ぼくも最初見たときに思いましたが、いま整理されて改めてこれだと思いましたね。
ぼくがつくっていきたいのは縁なので。
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– 17. パートナーシップで目標を達成しよう –
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SDGs17の課題を見る!
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