オーガナイザー

世界の音に触れるエスニックフリーフェス「蓮祭」

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こんにちは!

ソーシャルフェスデザイナーのあめみー(@amemi_c5)です。

毎年7月に埼玉県朝霞市で開催されるエスニックフリー野外フェス「蓮祭」のオーガナイザー「さとうゆきの」さんにお話を伺ってきました!

ゆきのさんはエスニックリユースブランド
「sipini」の代表でもあって、数々のフェスに出店されてる姿はよく見ていました。(Quantumにも出店いただきました)
いっつも笑顔な人だなぁと思っていたのですが今回のインタビューでその源泉のようなものが知れた気がします。


上は「蓮祭2016」の様子。

 

何かに対して違和感を感じたならば、こうなったらいやだ
じゃなくてこうになったらいいな
そういうイメージをみんなで共有するといいのかもしれない。

イメージは具現化することを身を以て体験した身としては
できるかぎり手を取り合って過ごしたいし、ハッピーに暮らしたい。

仕方ないよ、そこに気づいてしまったんだから。

気づいたらもうやるしかない。

さとうゆきの

さとうゆきの
Profile

【sipini】シピニはアイヌ語で【身支度】 ‘エスニック’ב衣’をメインに2010年始動。 ◉リユースエスニックショップ 日本中にすでにあるエスニックな物だけを買取りWebとFesにて販売。 ◉タイダイワークショップ 日本手話と日本語でのコミュニケーションで、国内外問わずタイダイを通じボーダレスな場作りを目指す。 ◉「WE LOVE ETHNIC FASHION シーズンブック」を2014年ダイヤモンドビッグ社より出版。 ◉[蓮祭]オーガナイザー

 

蓮祭ってどんなフェス?

ーー今日はよろしくお願いします!蓮祭ってそもそもどんなフェスなんでしょう?

毎年サブテーマがありまして「おとなもこどももはだしになって心を解放しよう」というのは昨年に引き続きなんですけど今年は違うものが降りてきました。

5年経って私の心が解放しきってしまったので(笑)
「地球の声を聴いてみよう」にしようとしたんです、最初はね。

蓮祭2016の様子

でも実行委員のメンバーに「地球は自然なものだから声はださないよ、エスニックカルチャー(民族文化)は人間が作り出したものだから、それなら世界のほうがあてはまるかも」という言葉がきっかけでした。

わたしは、聾の方とに関わる機会が多いこともあって無意識に“音”という言葉を選んでこなかったとそこで気付きました。

「ライブは聞こえないし分からないから、蓮祭には行かない」って言われるんじゃないかって思い込んでいました。

本当に自分勝手な思い込み。
私たちが日々出している声は“音”でもあるんだと思った瞬間から、愛情が湧き出しましたね。だってその音が重なり合って生活が成り立って、さらにその積み重ねで文化がうまれるんだから。あえて自分が避けてきた“音”を全面に出してみようと思いました。

聴者は、生活のほとんどを耳を頼りにしているという事を、手話を習い始めて実感しました。

蓮祭では、聴くことをちょっと置いておいて、音にも触れてみようよという意味で「セカイのオトにふれてみよう」と決めました。このフレーズをひらがなとカタカナにしたのも、子どもたちが読めるようにという想いからです。

今回も民族楽器の奏者がたくさんきてくれます。 民族楽器の音もきっと〝耳で聴く〟のではなくて〝肌で感じる〟ものだと思うんですね。
そこで、今回はライブをみてくれる方々に風船をプレゼントします。ふくらませた風船を胸にあてて、音を体感してもらおうと考えています。

ーーすごい、それはぜひ体験してみたいですね。開催場所はどのようなところなのですか?

埼玉県朝霞市にある「朝霞どろんこ保育園」という場所です。

蓮祭は裸足でやりたいという気持ちがあったから、構想段階からもうここ以外考えられなくって。

当時は娘も息子も在園中で 「ここでフェスやらせてください!」と、 理事長(当時は園長を兼任)先生に直談判に行ったら「いいですよ〜」とすぐにOKをいただけて、そこからとんとんとんと進んでいったんです。

ーーなかなかいない保護者のタイプですよね(笑)

そうですね(笑)卒園してから3年経っているのに、いまも変わらず支援していただいていて本当にありがたい限りです。。

 

ーーそういえば蓮祭の名前の由来ってなんなんですか?

単純に蓮の花が好きだから、ですね。
蓮の花って切るとすぐに萎れちゃうんです。こんなに美しい花が咲くために必要なのは、綺麗な水じゃなくて泥。

このギャップ、素敵じゃないですか?(笑)

わたしも泥々な青春とか、生きることに対してもがき苦しんでいた時期がありましたけど蓮の花のようにぐんぐん伸びてぱっと花を咲かせる力って、人間にもあるんだなぁと感じた時に、子どもたちが保育園に通う姿が重なり「あ、もうこれはやるしかないな」と、このとき確信に変わりました。

ちなみに会場の保育園から歩いて3分程のところに、蓮の沼もあるんですよ〜 8年前に、子ども達と蓮の咲く瞬間が見たくて何度も足を運んだ思い出の場所です。結局、咲く瞬間は見れませんでしたが。

 

ーーなるほど。ちなみに蓮祭りはフェスとしてどんな楽しみ方ができるんですか?

保育園につながる私道には、竹テントとキッチンカーでの飲食出店が並びます。タイのウィークエンドマーケットみたいなイメージですね。

ビール片手にライブをみながら踊り、ワークショップでものづくりを体験して、マーケットエリアでおかいもの。この出店全てがエスニックポリシーを持ってご活躍されている方ばかりです。朝霞に居ながら世界各国の風を感じることができます。

アーティストはバセルバジョンさん

奈良大介さん

などなどが出演してくれます。

今年はじめてトークライブをするんですよ。
家族4人極貧世界一周の旅をした松井家のみなさんです。先日初めてお会いしましたが、とにかく4人の笑顔が最高!さらに喋りもうまい!ぜひ松井家の本気のトークも体感しにきてください。

こちらのトークライブには、手話通訳があります。
松井家のトーク以外にもはじまりとおわりの挨拶、ライブ出演者の紹介にも手話通訳がつきます。これも、今回はじめての試みです。

ーーフェスづくりって楽しいことももちろんありますが、6年目といえどつくるのは本当に大変じゃないですか。
蓮祭りを続けるモチベーションってどういうところにあるんですか?

わたしは、1年をかけてこの1日をつくっています。
積極的に人に会いに行くことも、いろんなイベントに出店に行くことも全てここにつながっている。

蓮祭の終わりのあいさつをした瞬間から来年の蓮祭のイメージをはじめてます。
これは4年目くらいからするようになったかな。

ありがたいなって思うのは、出店者だけでなく来場者の方々からも「来年も楽しみにしてます」って言ってくれることで、これは主催者冥利につきますね。
この言葉をいただくためにやってるのかなぁとも思います。

 

フェスってどういったものなんだと思いますか?

フェスは主催者の世界じゃないですかね。

自分の中の「これほんとに好き!」が見つかると摩擦がおきはじめて、どんどんエネルギーが大きくなっていくんですけど、わたし、その想いをどうやって発散したらいいのかずっと分からなかったんですね。

ココロの中の気持ちやイメージはどんどん膨らんでいくのに処理しきれなくて、、

6年経った今は、その気持ちをうまく調和させるための方法のひとつがフェスなのかな、と思っています。

ーーフェスに行く魅力ってそういうところもあるんですね。

そうですね。いろんな人の世界を覗きにいける絶好のチャンスだから。
そこから得たココロがよろこぶ行動、それが輪となってつながっていくイメージ。

モヤモヤするのも必要ですけど、そこにはたぶん平和はないよって思うから。
この気持ちを手話で表すとこうなんですけどね、

主催者の想いを感じようとしてフェスに行くと、また自分の世界も変わって行くんだと思います。

これにピッタリはまる日本語がまだ見つからないんです。本には違和感って書いてあったりするんだけど“違和感”という日本語だけにとどめてしまうのはもったいなくて。何せこの気持ちが、わたしの原動力ですから。

コミットするSDGsは?

16です。

わたしは、蓮祭はボーダーレスなフェスにしたいと思っています。
目が見えなかったり、耳が聞こえない人がとなりに居て、何か困っていることに気づいたら自分なりの方法で支えたり、そういうことが自然にできる空気感にしたい。

障がいはマイノリティなだけで、それぞれに素敵な力があります。
反対に健常という言葉がありますが、これは単にマジョリティというだけ。
どちらの感情もみんなきっと持っているはずだから
蓮祭は魂を持ち寄る場とも言えるのです。

何かに対して違和感を感じたならば こうなったらいやだ じゃなくて こうなったらいいな。そういうイメージをみんなで共有するといいのかもしれない。
イメージは具現化することを身を以て体験した身としては
できるかぎり手を取り合って過ごしたいし、ハッピーに暮らしたい。

仕方ないよ、そこに気づいてしまったんだから。

気づいたらもうやるしかない。

 


蓮祭2017

https://hasumatsuri.wixsite.com/hasumatsuri2017

 

 

 

あめみー

あめみー

投稿者の記事一覧

92年生まれの水瓶座。Oxygen編集長。無音の音楽体験「サイレントフェス™️」や量子力学的フェス「Quantum」泥パーティー「マッドランドフェス」など計50以上のフェスプロデュースをする猫背。
個人ブログ:https://note.mu/in_the

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